【観劇日記】雪組大劇場公演ONCE UPON A TIME IN AMERICA
大劇場に向かう際、いつもとバッグを変えたのでオペラグラスを忘れて行き、レンタルしようと財布を確認したら、デポジットを支払う為の5000円に後100円足りませんでした、無念。こんにちは、にくです。いつも当ブログをお読み下さりありがとうございます。
そんなワケで、やっと観劇出来ました。
事前情報として、ギャング映画と云う認識でいましたので、なんとなくゴッドファーザーの様なファミリー同士の抗争的なのを想像していたのですが
<ゴッドファーザー自体、どんなストーリーか知らないのですが
全然そんな風では無く、だいもん(望海風斗)演じるヌードルスを中心とする人間ドラマと云う印象でした。
そして、彼の真っ直ぐな友達やデボラを思う気持ちや、傷ついた心情とか、其れを乗り越えた後の達観した老年期とか、一人の人間の人生を見せて頂き、心の臓がギュッと掴まれる様な、思わず「人生」について考えたくなる様な気持ちにさせられました。
※考える中身のある内容であるかどうかはおいといて。
人間ドラマであると同時に、流石の宝塚歌劇、とても素敵なピュアなラブストーリーでもあると感じました。
ピュアなラブストーリー其の1
ヌードルスが人生を通してデボラを想っていた事。
少年期に一目惚れして以来、ずっと。
そんな思いを彼女に伝える為、一幕ラストに真っ赤な薔薇を敷き詰めたソファーでプロポーズ?するシーンとか。
半分位は拒絶される事が分かってたと思うんですけど、デボラには夢があるし、マックスの事は裏切れないし、そんな複雑な気持ちを取り払う為の薔薇。
歌詞のラストがまた「俺の愛は枯れない」って所がね、悲壮感漂うのに薔薇の華やかさと相まって惨めではなく、悲しい気持ちがより一層伝わってきて素敵でした。
老年期に再開した際のあの「まだお前の事を・・・」的なドギマギしているヌードルス。
渋いおっさんがドギマギしてるって、ええよね。セクシーで。
そして、ココでまた拒絶される所がだいもん×まあやちゃんです。
ピュアなラブストーリー其の2
あーさ先輩演じるキャロルがマックスに惚れている件。
台詞回しや、発声が恋する女そのものでした。マックスはDV男なのに。
キャロルがステージで歌う歌詞に
「私が惚れた男は背が高くてハンサム 笑うとえくぼが出る チャーミング キスしたい」
と云う、マックス(と云うか咲ちゃん)にぞっこんラブな歌がありまして
誰!?この歌詞書いたの誰?!ってなりました。
ストーリー上スルーされると思いきや、なんと咲ちゃんマックスから「俺へのあてつけか?」と突っ込まれ、対するキャロルは「こういう歌だもんっ」となるイチャイチャぶり。
しかし、マックスしか目に入っていいないキャロルに対して、マックスはそれなりに愛しているけれども他にも大切な事はあると云う、気持ちが釣り合っていないヤツ。
結局2人はハッピーなエンドではない・・・のか?受け取り方次第でしょうけれども、なるようになったのかな、と私は思います。ピュア。
小池修一郎作品
パフレットに書いてありましたが、この公演の原作映画を観た時に、いつか舞台化をしたいと考えていたそうで、少年期から老年期まで演じられるトップスターを探していた所「運命の女神は私に望海風斗を与えてくれた」と書いてある。
この話、どっかで事あるようなと考えていると、「ポーの一族」の時にもエドガーを演じたみりおさん(明日海りお)に対して、彼は同じような事を言っていたと思う。
演出家小池修一郎氏が、いつかキャストに巡り逢えたら舞台化したいと願っていた2作品を上演するきっかけとなった2人が、同期で「生まれ変わってもまた一緒にやろう」と言い合っている2人なのが熱い。熱すぎる。
そんなワケで、この作品は私が見た宝塚歌劇団のどの作品とも少し違う、人間ドラマでありラブストーリーであり、バイオレンスも少しアリと云うダークで現実味を帯びた異色の作品でありました。
異色だけれども「清く正しく美しく」の一線は超えていない所が秀逸な仕上がり。
一度しか観劇予定を組まなかった事を後悔しています。
キャスト別感想を後日アップする予定です。
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